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J1 1st Stage 第14節 福岡(博多の森)
 引き分けを挟んで3連敗。しかも前節は市原に今季負け無しのホームで悔しい逆転延長負け。練習見学に行っていた研究員達からは、月曜の練習などはかなりチームのムードも落ち込んでいるとの報告を頂いていました。特にDF陣は。その後、雰囲気は当然持ち直したという話も聞きましたけども。

 そんな中で、チームとしては過去一度も勝った事のない博多の森での試合です。勝った事がないどころか、得点をしたことすらありません。ホームを入れても6度の対戦の中で一度しか勝っていない苦手中の苦手・福岡。この相手は、98年の参入戦で敗れている相手ということもあり、当時を知るサポーター達にとっては特別な思い入れのあるチームでもありました。私もその思い入れを持ったサポーターの一人、でした。この試合は単なる30試合のうちのひとつではなくて、越えなければいけない壁をたくさん抱えた、チームにとって大事な試合になっていました。

 先週までそれほど暑くなかったという福岡でしたが、この日の最高気温は34度近くに上がり、本格的な夏の到来を感じさせる一日でした。しかし、途中東京で更にそれよりも激しい熱風を感じて「帰る」と言いながら福岡にたどり着いた身分としては、「結構我慢出来る暑さじゃん!」と、特にやせがまんでもなく断言出来てしまいました。自主トレ効果かもしれません。もっとも選手にとっては、やはり普段と比べてはるかにつらい気象条件であったとは思いますが。

 試合が始まった途端に何故か雨が落ちてきました。これがまた実に気持ちいい。アウェイの洗礼のはずが、私達にはとっても都合のいい降雨。序盤から選手の動きはシャープです。ここ数試合感じさせられていた攻守の迷いが見えません。トップ下に据えられた山瀬君を中心に、いかにも得点の匂いがプンプンする展開を見せます。実際に相手のゴールを脅かしたプレーが続出したわけではないですが、「今日は点が取れる」と信じるには足るプレーが続いていました。

 あとで思ったのですが、勝つ事は勝っていましたが、思えば4月のG大阪戦付近以降、札幌のサッカーはJ2時代の良さを徐々に失っていたようです。曰く、自慢のディフェンスが「守備の為の守備」になっていて、決して「攻撃の為の守備」になっていなかった。攻撃と守備のバランスがそのときから微妙に崩れていたのかと。「守備がいい」という評価が逆に札幌にとって呪縛になってしまっていたのかもしれません。

 福岡戦のサッカーは、あとで選手たちが「J2時代のサッカーを取り戻した」と自ら語っているように、まさに「自分達が守備をするのは攻撃の為」という思いを取り戻した、あのサッカーでした。いつも悔しい思いばかりさせられていた博多の森で、選手たちが、私達の福岡に対する対抗意識をよそに、あくまでも自分達のサッカーに徹していたことで、私達はどれほど勇気づけられたことか。そんな空気の中では、これまで1点も取っていなかった博多の森で、はじめてのゴールが生まれるまでにそう長い時間を必要とすることはありませんでした。

 健作ですが、この日はいつもに比べて攻撃参加は数えるほどしかありませんでした。それは本人も認めているところのものですが、和波君との兼ね合いもあるのでそれは一概にどうこう言える事ではないでしょう。ただ、それまでよりも守備に関する範囲は広くなっていたのかな、とあとでビデオで確認しました。そのへんは個人的な意識によるものなのか、それともDF陣としての意識なのかは判りませんが、左右中央に関係なく広く動き、結果、後半終了間際に「ふくらはぎから太股から全部」の足がつってしまい(提供:札幌タイムス永井さん)時間稼ぎの意味合いもありましたでしょうが森川君と交代しました。とはいえ代表選手である山下に殆ど仕事をさせず途中交代に追い込み、チームとしても2ヶ月判ぶりの完封に貢献した健作。ゴール裏に挨拶に来た時には、さすがに疲れた顔をしていましたが、充実した雰囲気も隠せはしません。

 思い入れの深かったサポーターの中には、この勝利で泣いてる人も多かったと聞きます。私自身は、超えたかった壁を超えて泣くよりもとにかくひたすら充実感一杯で、祝勝会のビールを思って試合中よりも飛び跳ねるという荒行に走ってしまいましたが。

 通加点のひとつに過ぎない試合です。だけど、今日だけは言わせてもらいましょう。

 勝ってくれてほんとうにありがとう。